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FILM PROJECT

NO.67/62

NAME :

笹谷遼平SASATANI Ryohei

TITLE :

『水蓮』

2020年、コロナ禍の大阪で餓死した時子(83)は無戸籍者、そして戦災孤児だった。

時は遡り1954年。祭りのテキ屋の一角に、七味売りの口上をうなる、かつての時子(16)がいた。男社会に反発し拝金、冷笑を信条に渡世している彼女はあるとき炭焼きの男・省三(23)と出会う。時子は、無欲にただ黙々と自然の一部として炭を焼き続ける省三に惹かれた。しかし満州での引揚げ体験により心に深く凄惨な傷を抱えていた時子は、眼前にある省三との平穏な生活に耐えられず、再び渡世の世界に戻っていく…。

  • 戦争
  • ドラマ
  • 恋愛
  • プロット有
  • 脚本有

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ABOUT THE PROJECT :

1945年、21歳の私の祖父は中国で終戦の日を迎え、シベリアにて3年間の壮絶な捕虜生活を過ごし、1948年に引き揚げ港・舞鶴に降り立つことができました。シベリアで祖父が生き延びなければ、私は存在していません。
そして2020年コロナ禍の大阪で、戦災孤児・無戸籍・不法居住の老女が餓死するという痛ましい事件がありました。コロナ禍が人の人生を変えたこと、戦争の傷跡が現代と明確に地続きであることを同時に示したこの事件に、私は大変な衝撃を受け、今は亡き祖父に導かれるように、引き揚げ孤児の物語を書きました。
私の祖父はよく「自分は無数の犠牲の上に生きている」と言っていました。あらゆる困難を抱える現代だからこそ、生きることの本質、繋がりを教えてくれるこの言葉を胸に、映画作りに向かいたいと思っています。(2023.8.24掲載)

CLOSECLOSE

NO.66/62

NAME :

坂本悠花里SAKAMOTO Yukari

TITLE :

めざめ

小学6年生の典子は、中学受験のために塾に通っている。これはシングルマザーである母の意志によってであり、典子の意志ではない。典子は成績レベルが下のクラスで、のんびりと過ごしていた。ところがある日、典子は塾の特進クラスに上がり、状況が一変する。特進クラスの子供たちは、天才で勉強するために生まれてきたような子、周囲にマウントをとる子、親の期待に応えるべく吐いてでも勉強する子……など、典子は圧倒される。典子は一度は塾を辞めようとするが、塾と比べて平和的な学校生活に刺激を感じず、勉強と向き合うようになる。典子は次第に成績が上がっていく。しかし典子が過去に起こしていた暴力的な面が再び現れてクラスメイトにつかみかかってしまい、母に中学受験をやめて田舎へ移住することを提案される。典子は母に逆らい、受験をすることを選択する。

  • ドラマ
  • プロット有

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ABOUT THE PROJECT :

中学受験、それは子供だけの意志というよりも、保護者の意志が多く含まれている。しかしもう小学生だから自分で考える頭もあるし、自己主張もする年齢だ。だから、子供なりに中学受験とどう向き合うか、あるいは向き合わないで適当にこなすのか、折り合いをつけなければ精神的に壊れてしまう。覚悟を持てない子どもたちは、大人たちのプレッシャーに飲み込まれていってしまう。子どもたちは、成績と結果だけが全ての受験戦争で、どう生きていくのか。他の子供たちより少し早く大人にならなければいけなかった、中学受験に挑む子どもたちの姿を描きたい。
また、自分自身の内にある暴力的な面や冷酷な面に気がつくのも小学生の頃である。どのようにして、それを受け入れ、乗りこなしていくのかというのを見せていきたい。(2023.5.25掲載)

CLOSECLOSE

NO.65/62

NAME :

坂本悠花里SAKAMOTO Yukari

TITLE :

軋轢

武器の製作工場で働いている、20歳の京子とはな。二人はルームシェアをしている。京子は不安症でおとなしい性格、はなはマイペースで外交的な性格。二人は対照的であるが、仲が良い。ある夜、京子は彼氏の神田に浮気されたことを知る。落ち込んでいる京子に、はなはカッターで神田を殺害することを提案する。二人は神田を殺害しに行く途中で、同僚の長谷川と出会う。長谷川は、二人の話を冗談だと思っている。ところが、二人は本当に神田を殺害してしまう。京子は後悔をし始める。だが、はなは気にせずに四番目の彼氏に連絡して遊びに行ってしまう。一人、悲しみに暮れている京子に対して、長谷川は自分が神田の代わりになることを提案する。

  • ドラマ
  • プロット有

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ABOUT THE PROJECT :

命は尊いものだと思う。だけど、あまりに軽いと感じることもある。
この映画の世界は、人の命の価値が低い世界だ。武器工場では、戦争で人を殺害できる武器を作っているし、京子とはなは浮気性の男を殺害してしまうし、その男の代わりになる男は簡単に現れる。
この映画の世界は少しぶっ飛んでいるけど、今の世界とそんなに変わらないかもしれない。
人は衝動的に誰かを消そうとするし、誰が消えても特に何も変わらないし、誰かが誰かの代わりになってもあんまり影響は出ない。
それが悪いことだとは思わない。そういうものだと思う。
それでも、その人らしさというのはあるのだろうか、それともないのか、ということをこの映画の中で描いていきたい。(2023.5.25掲載)

CLOSECLOSE

NO.64/62

NAME :

中江和仁NAKAE Kazuhito

TITLE :

アメリカの恋人

今年50歳になる映画監督の『倉田』は、
15年前に日本アカデミー賞にノミネートしたのが絶頂で、
近年は全く映画を撮れていない。
そんな日本映画界から見放された倉田に、
ラスベガスの映画祭から特集を組みたいという話が来る。
意気揚々と出かけるが、そこはグランドキャニオンに近いド田舎の映画祭で、
英語ができない彼は、度重なるドタバタに巻き込ましまい…

  • ドラマ
  • プロット有
  • 脚本有
  • パイロット版有

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ABOUT THE PROJECT :

自身の海外映画祭の体験をもとに、
アレクサンダーペインのようなブラック・ユーモアに溢れたロードムービーを
作りたくて脚本を描きました。 
(サンダンス映画祭の脚本審査で受賞はなりませんでしたが、 いいとこまで残りました)
(2023.4.7 掲載)

CLOSECLOSE

NO.63/62

NAME :

眞田 康平SANADA Kohei

TITLE :

『中二の森』

田舎の中学生の亮太(14)は都会から転校してきた麻美(14)が映画好きということに心を動かされ(そんな人を初めて見たから)、いじめらている透(14)と、亮太の事が好きな幼馴染の渚(14)を巻き込んで、田舎には無い映画館に子どもだけで行こうと約束する。しかし、立場の違いでバラバラになった4人はそれぞれの方向に進んでいく。亮太は自転車で隣県のショッピングモールまで山を越えて向かうおうとするが‥‥

  • 青春
  • ドラマ
  • 脚本有

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ABOUT THE PROJECT :

近くに映画館のない田舎の中学生が、自転車に乗って隣県のショッピングモールに映画を見にいくという実際にあったエピソードを聞いた時、寂しく暗い森を疾走するイメージがなんて映画的なんだと感じました。田舎の陰々滅々として逃げ場のない状況から中学生が抜け出すために、自力で(チャリで)山を越えようとする。そこには日常から離れ、大人になるために必要な『決定的な瞬間』があるのではないか、と思ったのが企画を考え始めたきっかけです。
 と同時に、脚本を書き進める中で、都会と田舎の学生たちの格差を意識するようになりました。そこには実際、教育格差があり文化格差がある。ただ映画館に行くことさえ別の世界の出来事のように感じるような、子どもだけでは簡単に越えられない大きな壁が立ちはだかっている。その壁を越える所を描かなければいけないのでは?
 全てがそうとは言いきれませんが少なからず昔から存在している格差。学校では将来の選択肢の意味さえ教えず、大人たちは最初から諦めるよう諭し、同級生は勉強することさえ馬鹿にして、しょうがないが口癖になってしまった子どもたち。
 それでも、と思うのです。そこに一矢報いる物語が今必要なのではないでしょうか? 諦めることが当たり前になっている私たちに代わって、怒って、泣いて、走ってくれる作品が今必要なのではないでしょうか? 私はそういう映画が見たい。この物語がまだ見ぬ何かを夢見て今も机の下で膝を抱えている誰かに届いたら。そう思って脚本を書きました。
「映画館は逃げ場所かもしれない。でも、だから、最高なんじゃないですか。」
そういう映画を撮りたいと思います。(2023.3.29掲載)

CLOSECLOSE

NO.62/62

NAME :

清水健斗SHIMIZU Kento

TITLE :

『エデンの果実』

心臓移植を受けた由香里は頻繁に悪夢を見るようになり、趣味嗜好・性格にも変化が現れる。
それはドナーの記憶や精神がレシピエントに転移する「記憶転移」という信じがたいものだった。
そしてドナーは由香里の恋人・剛史の妹を誘拐し殺害したとされる死刑囚のものだった……。

恋人に移植された心臓が妹の仇と知り、苦悩しながらも必死に支え愛し続けようとする男。
死刑囚の記憶に侵食されはじめる恋人。
崩れはじめた二人の関係は悲劇をうみ、二人の逃避行が始まる。

  • サスペンス
  • ドラマ
  • ミステリー
  • 恋愛
  • プロット有
  • 脚本有
  • パイロット版有

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ABOUT THE PROJECT :

「人間を形成するのは躯体か?心か? 愛は人間のどこに向けられているのか?」
人を愛する、好きになる。一見簡単な言葉に感じるが、愛というのはとても微妙なバランスで成り立っている。
もし、愛した人がほんの少しでも違う性格だったら、違う容姿だったら、声色が違っていたら…‥。たとえ微妙のズレだったとしても、好きになる・愛するといった感情は湧いてこないかもしれない。
それはどれか一つの要素だとしてもかけてしまったら『その人』ではなくなってしまうからだ。
そしていい要素も悪い要素も含めたその人の全部を理解し受け入れることが人を愛するという事なのだ。
今作は、心臓移植を機に体と心のバランスが崩れていく女性と、必死に支え愛し続けようとする男性を通し、人間を形成するのは躯体か?中身(心)か? 愛情や想いは人間のどこに向けられているのか?
そんな普遍的な愛と心のあり方を、人との距離感や日常の尊さ大切さを実感させられた現代を生きる人達に問いかける。(2023.3.10 掲載)

CLOSECLOSE

NO.61/62

NAME :

志萱大輔SHIGAYA Daisuke

TITLE :

『K』

書けない新人作家・朝浦真子は、
ゴーストライターとして代筆した今をときめく人気俳優・Kの半生を綴った自伝的小説が予想を超える大ヒットを記録したことで、作家としてかりそめの成功を手にしてしまう。

一方、全てを手にしたかのように見えたKだったが、ある日、原因不明の失踪を遂げてしまう。

5年後。
何の前触れもなくKから一通の手紙が届いたことで、夢を諦めたはずだった真子の心に再び火がつく。

Kの失踪の謎を解き明かし、
彼をモデルにもう一度、自分の小説を書くことを密かに企てた真子は、
彼がひとり隠れるように暮らす山荘を訪れ、やがて執筆するという目的でひと夏、その場に滞在するようになる。

世間を離れ、隠遁生活を送るKとの秘密の共同生活を通し、
執筆するという目的で始まった 真子のKを『知りたい』という欲望が
少しづつ『慕わしい気持ち』に転じていく_

  • ミステリー
  • 恋愛
  • プロット有

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ABOUT THE PROJECT :

逃避という言葉、行動に強く関心がある。
ある日、全てを捨て、逃げる。
そしてそのまま社会の枠から、弾け出る。
段々と名前も薄くなり、すうっと自分が誰でもなくなるような感覚。

はたして現代社会では、完全なる逃避は叶うのだろうか。
もし叶ったとしても、
人間、誰とも関係を結ばず、たった一人、透明な存在として生きていくことなんてできるのだろうか。

この物語は、作家である女の視点から、
ある日、忽然と姿を消した謎多き男の姿を見つめ、他者を知っていくということの裏に隠されたミステリーを描く。

そして緑あふれる真夏の別荘地を舞台に、
自ら望んで孤独を選びながらも、
ただどうしようもなく「誰かと繋がっていたい」と、矛盾する男女の姿を捉えたい。(2022.3.3 掲載)

CLOSECLOSE

NO.60/62

NAME :

藤澤浩和FUJISAWA Hirokazu

TITLE :

『Voice of the Dead』

人の声に反応し、襲ってくるゾンビが蔓延する世界で、ろう者のカップルが手話のコミュニケーションを駆使して生き抜く物語。

  • アクション
  • アドベンチャー・冒険
  • コメディ
  • スリラー
  • 青春
  • バイオレンス
  • パニック
  • ファンタジー
  • ホラー
  • プロット有
  • 脚本有

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ABOUT THE PROJECT :

『Voice of the Dead』はタイトル通りゾンビ映画です。
『ナイト オブ ザ リビングデッド』『ゾンビ』『28日後』『ワールドウォーZ』。いつの時代もゾンビは現代社会のメタファーでした。
今作のゾンビは、「コロナ禍」「ディスコミュニケーション」「格差」の象徴です。
マスクをして口を閉ざし、疑心暗⻤の中、自分と違う生き方をする人々を見ないように、時には攻撃して暮らす人々。
それを象徴するように、生前のルーティンを繰り返すゾンビ達。
そんな中、ろう者の主人公達は、文字通り「声を上げない」事によって逆に安全を保証され、生活している稀有な存在となっています。
健聴者の中で生きにくさを抱えていた主人公は、ゾンビが蔓延した世界でも、「どっちみち、私たちはいない事になっていた」と、さして変わらず、パートナーの男性と閉じた世界で生きようとしていますが、そんな二人にも変化が訪れます。
世の中が変わってしまい、「新しい生き方」を求められる現在を示唆しつつ、アクション、ドラマ、コメディの側面を含んだ、「今語られるべき」物語になると思い、企画しました。

CLOSECLOSE

NO.59/62

NAME :

齋藤栄美SAITO Emi

TITLE :

『小さな空を蝶は飛ぶ』

ラマザン(23)は、トルコ内のクルド人迫害から逃れるために10歳の時に来日した。中学卒業後働いているのは解体現場。難民申請が未だ許可されず、就労ビザをもっていないラマザンにとっては不法就労だ。

ある日ラマザンは不法就労がばれてしまい、入国管理センターに収容されてしまう。 人権が無視された入管での生活に、ラマザンの精神は蝕まれていく。

過酷な運命に翻弄されつつも、必死に抗うクルド人青年の物語。

  • ドラマ
  • プロット有
  • 脚本有
  • パイロット版有

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ABOUT THE PROJECT :

或るドキュメンタリーを見たことをきっかけに、私は日本にいる難民の方々に興味をもちました。彼らの置かれた環境に衝撃を受け、彼らの強い生き方に魅了され、日本の入国管理局の対応に疑問を感じました。

2021年、日本の難民申請は2413人。難民認定されたのは74人。難民認定率は0.7%。イギリス63%、カナダ62%、アメリカ32%、ドイツ25%といった諸外国の難民認定率に比べると、日本の難民認定率は極めて低い現実があります。
また日本の入国管理センターの収容者の半数が6ヶ月以上、最大5年にも渡る長期収容を強いられています。

難民の問題に答えをだすことは簡単ではありません。
でもだからこそ現状を知ることが大切だと思っています。

この物語の主人公の祖国、クルドには古い唄があります。「千のため息。千の涙。千の反乱。千の希望」。この作品が、クルド人、そして難民問題の、希望の1つになることを願っています。(2023.2.10 掲載)

CLOSECLOSE

NO.58/62

NAME :

佐藤快磨SATO Takuma

TITLE :

『見上げた夏の空は灰色』

故郷の秋田で高校野球部の監督を務める夏男は還暦を迎える。妻子にはとっくに逃げられ、病院で寝たきりの父と寂しく誕生日を祝っていると、夏男による体罰を撮影した動画が何者かによってリークされ、勇退を目前に監督を解雇される。世間からの非難に耐え忍ぶなか、父親が他界。葬式に参加した高校時代の仲間たちは、夏男の様子を見兼ねて、「500歳野球」へと誘う。大会で連勝を重ねる彼らは青春を取り戻しているように見えた。彼らの青春に刻まれた「暴力」の行く末は。

  • スポーツ
  • 青春
  • ドラマ
  • プロット有

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ABOUT THE PROJECT :

1978年秋田県大仙市(当時神岡町)にて、地元草野球で出番を失っていた同世代の町民らにより、「自分たちがプレーできる大会を」という機運のもと【500歳野球】が発足した。出場資格は50歳以上。出場選手9人の合計年齢は500歳以上でなければならない。2018年には第40回大会を迎え、全県から184チーム、約4700人の選手が参加。新型コロナウイルスの影響による中止を挟み、2022年は3年ぶりの開催となった。500歳野球を創設した故高橋政泰さんは「野球はプレーしてこそ意義がある。白球を追って灰になるまで野球を楽しめないか。野球があったから自分の人生は楽しかった」という言葉を遺した。両親や妻子を裏切ってまでも野球を選んでしまうような男たちのひと夏を皮肉とユーモアを持ち寄って描きたい。(2023.2.1掲載)

CLOSECLOSE